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番外編 じっち会

破門の場合は復縁の余地があるのに対して、絶縁の場合はその余地がない。 除籍処分を受けた誉さんは、ヤクザ社会ではもう生きていけない。九条さんみたく足を洗う以外に道はない。 「心望も奈梛もおにぎりが食べたいのか?一個は多いから半分くらいだったらままたんに怒られないだろう。お、そうだ。のぜったりしたら大変だから海苔はひっぺがさねぇとな」 おにぎりから海苔を剥がすと心望を膝の上に座らせて食べさせてくれた。 僕は奈梛ちゃんを膝の上に座らせ、彼と同じように海苔を剥がしおにぎりを食べさせた。それを見ていた一太たちが自分も食べたい!と言い出し、炊飯器にご飯が残ってるか見てくる。僕も手伝う。アタチも。一太と奏音くんと遥香がバタバタと忙しく台所に走っていった。 「ままたんに怒られるから散らかすなよ。それとご飯粒を下に落とすなよ。太惺と心望と奈梛が拾って食べてしまうから………と言っても誰も聞いていないか」 はぁーと深いため息をつく彼。 「寝る前に食うのは本当は良くないんだが、ガミガミ注意してもな。腹が減るのは自然現象だし、育ち盛りだし、しょうがねぇな」 「俺、見てきたほうがいい?」 「悪いな紗智」 お風呂上がりの紗智さんがたまたま通り掛かり、そのまま台所に行ってくれた。

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