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番外編 じっち会

しばらく無言で見つめ合うふたり。 「あれ?未知が焼きもちを妬かない。なんだがっかりだな」 「え?」 「焼きもちを妬いて怒った未知の可愛い顔が見れると思って、楽しみにしていたんだけどな」 テーブルに頬杖をついた彼が悪戯っぽい笑みを浮かべた。 「は~~る~~」 橘さんがこれでもかと眉を吊り上げた。 「優璃の怒った顔もなかなか可愛いな。柚原が見たら泣いて喜ぶぞ。間違いなく二度惚れする。あれ、そういえば柚原は?じっち会からまだ帰ってこないのか?」 「話しを逸らさないで下さい」 「逸らしてねぇよ」 彼が橘さんの頭をぽんぽんと撫でた。 「角をしまえ。陽葵が怖がる。いいか優璃、全部一人で抱え込もうとするな。三人寄れば文殊の知恵だ。打開策が見付かるかも知れない」 「遥琉がそこまで言うなら、明日阿部さんに連絡してみます」 橘さんがようやく笑顔を見せてくれた。 「どうやら柚原さんが帰ってきたようです。遥琉、頭ぽんぽんは私でなく、未知さんと陽葵ちゃんにしてあげてください」 橘さんがすっと立ち上がった。

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