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番外編 じっち会
ー要するに未知の争奪戦が水面下で行われているってことよ。三つ巴のねー
「三つ巴ってことは神政会と楮山組とひかりのみこか?」
ー当たり。未知を捕まえて人質にすれば、アタシもお兄ちゃんも遥琉も、み~んな手も足も出ない。指を咥えて見てるだけになるでしょう。誉と朔久と相楽ははじめから未知を捕まえて手土産にして敵方に寝返るつもりでいたのよー
「は?未知はモノじゃねぇぞ」
ーそうよね。未知をモノ扱いするなんてね。そのうちバチが当たるわよ。でも安心して。アタシの可愛い妹に指一本触れさせないわー
お姉ちゃんの頼もしい一言に、
「未知を渡してなるもんか。未知だけじゃない。子どもたちも、舎弟たちも、みんなだ」
彼の表情もキリリと凛々しく引き締まった。
ポッと頬を染め思わず見惚れていたら、彼の逞しい二の腕が腰に回ってきて、そのまま抱き寄せられた。
「陽葵がやっと寝たから俺らも寝る。じゃあな千里」
ーちょっと待ってよ遥琉!アタシ、妹と一言もまだ喋ってないわよー
「そうか?」
ーそうよ。惚けないでよー
異論を唱えるお姉ちゃんを尻目に彼はブチッと電話を切ってしまった。
「あ、間違えた。未知、寝るぞ」
「いいの電話?」
「用があれば掛けてくる。でも出る気はないけどな」
悪戯っぽい笑みを浮かべると、敷布の上に倒され、頭まですっぽりと布団を掛けられ、少し遅れて彼が潜り込んできた。
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