2222 / 3283
番外編 彼とデート
一太と奏音くんは小学校で遥香は幼稚園だ。
太惺と心望と陽葵は、おうちで橘さんたちとお留守番をしている。
青空さんはかれこれ十分近くショーケースに並ぶケーキを眺めていた。
こそこそ隠れていてもストレスが溜まる一方だ。たまにはお天道様の陽の光を浴びてリフレッシュしたほうがいい。彼がそんなことを急に言い出して。駅の近くにあるショッピングモールに連れていってもらった。好きな服を買えって彼に言われたけど、結局自分の服は買わず、子どもたちの服を購入した。怪我はしょっちゅうだけど、大きな病気もせず、みんな元気にすくすくと育っている。それが何よりも一番嬉しかった。
橘さんや組のみんなにもお土産を購入し、家に帰る前にカフェに立ち寄った。甘いものに目がない青空さん。チョコがたっぷりとかかったドーナツをみっつぺろりと平らげると、今度はケーキを選びにカウンターに向かった。蜂谷さんは嫌な顔ひとつせず青空さんに付き合っている。
平日の午前中だからかな?店内はお客さんもまばらでとても静かだった。異様な雰囲気が漂う奥のスペースを除いて、だけど。
店員さん達の笑顔がひきつっていているが痛いくらい分かるから余計に申し訳なくて。店員さんや他のお客さんに迷惑を掛ける前になるべく早くお店を出るつもりでいたけど、お尻が椅子にひっついてしまい、かれこそ三十分以上は滞在している。
ともだちにシェアしよう!