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番外編 彼とデート
「アイツらにも言った。いいように黒竜やダオレンに利用されているだけだ。用済みになったら始末される。今ならまだ間に合うと。言うだけ無駄だった」
「そんな事はない。そう自分を卑下するな」
彼が青空さんの肩をぽんぽんと軽く叩いた。
「どうしたハチ?」
「ほんの一瞬しか見えなかったが、どこかで見たことがある顔だった」
しばらく考え込んだのち、蜂谷さんが思い出したと声を上げた。
「教団は青蛇の幹部に千夏を献上した。青蛇の関係者が教団にいてもおかしくない。もし彼らのひとりが教団を出てひかりのみこを作ったとしたら説明がつく。青空に声を掛けた男は恐らく彼だ」
蜂谷さんが見せてくれたのは県警のウェブサイト。全国に指名手配されている容疑者のひとりを指差した。
「ハチの眼力は相変わらずスゴいな」
これには青空さんが舌を巻いた。
「ずいぶんとまぁ若い男だな。変装してそこら辺を歩いていても気付かないぞ」
彼が何かに気付いた。
「ドライブスルーに並んでいる車、県外ナンバーの車がやたらと多くないか?」
「長居しすぎましたね。そろそろ出ましょう。青空、帰るぞ。姐さんも用意してください」
彼と蜂谷さんに言われて帰り支度をはじめた。
ドアの前に立つと青空さんの表情も目付きもガラリと変わった。
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