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番外編青いダストボックス

エレベーターに乗り込もうとしたとき、あることに気付いた。 「ねぇ遥琉さん、非常用扉の前にキャスター付の青いダストボックスあるでしょう?あれ、片付けなくていいの?邪魔にならない?」 「確かに邪魔だな。たく、誰だ片付けないのは。非常用扉の前には物は置くなって口を酸っぱくして言ってるのに。鞠家、使って悪いが片付けておいてくれないか?あれ?鞠家は?」 彼が辺りを見回すとついさっきまで一緒にいたの鞠家さんの姿が忽然と消えていた。代わりに亜優さんが口をもぐもぐと動かしながら立っていた。 「鞠家を知らないか?」 亜優さんは菱沼金融のほうを指差した。 「腹が減っては戦ができぬ。甘いものを食べねば頭が動かぬか」 彼が近くにいた若い衆にダストボックスを片付けるように頼んだ。 「多めに買ってきたから家に帰ったら一緒に食べよう」 ぶら下げていた紙袋を上に上げると、亜優さんの目がきらきらと輝き出した。 エレベーターのボタンを押して、扉が開くのを待っていたら、 「ぎゃあ!」たまげるような叫び声と、「ひえっ」という恐怖に戦く叫び声が聞こえてきた。

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