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番外編ハルちゃんはみんなのおねえちゃんだもの
「ねぇ、ママ。はれくんとみくくんのぶんもある?」
「あるよ」
「あるって、よかったね」
一太が後ろを向いておいでと手招きするとお揃い水色のスモックを着た晴くんと未来くんがひょっこりと顔を出した。
「なんだ、また家に入れなかったのか?じぃじっておいで」
「たく、しょうがねぇパパとパパだな。よし、一太のじぃじが抱っこしてやる。おいで」
あぐらをかいて座っていたお祖父ちゃんとお義父さんが両手を大きく広げると、人見知りの未来くんは顔を真っ赤にし俯くと、もじもじしてなかなかはじめの一歩を踏み出せないでいた。すると、
「みくはみちさんのじぃじっていっていいよ」
弟思いの優しい晴くんは未来くんにお祖父ちゃんを譲った。
こうして無事に晴くんはお義父さん、未来くんはお祖父ちゃんの腕のなかに元気いっぱい飛び込むことが出来た。
膝の上にちょこんと座ると、手を合わせていただきますをしてからドーナツを口いっぱいに頬張った。
「おいしいね」
「うん」
「みちさん、じぃじ、ありがとう」
「ありがとー」
晴くんも未来くんもニコニコの笑顔を見せてくれた。
「ハルちゃんはみんなのおねえちゃんだから、パパみたくすぐぶすっとしないもん」
遥香は大好きな二人のじぃじを取られたと駄々を捏ねることなく、焼きもちも妬かず、橘さんのお手伝いをしてみんなに飲み物を運んでくれた。
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