ーあの、どちら様ですか？ー ｢初めまして若林さん。橘です」 ーあなたが橘さんですか。初めまして若林ですー ｢未知さんはうぶですからね」 ーそのようですねー 橘さんと若林さんがぷぷっと笑い出した。 ータバコを吸っている人と酒を飲むと人が変わる人、あと、香水とか芳香剤の匂いがキツイ人は、出来たらごめんなさいなんですが。芳香剤のキツイ車に乗って何度も気持ち悪くなった経験があるので。あと酒は本当にダメで。前に付き合ったひとにべろんべろんに酔わされて、気付いたら知らない人たちに……そんなこともあったからー ｢私のほうから確認しておきますね」 ーわがままなばかり言ってすみませんー ｢そんなことはありませんよ。もしかしたらこの出会いをきっかけに一生お付き合いすることになるかも知れませんし。お任せください」 ーありがとうございますー ｢それで写真なんですが……」 ー菱沼金融に行けばいいんですよね？顔でも胸でも、そんな綺麗な体じゃないけど裸もどうぞ好きに撮ってください。宋さんの写真はやっぱり無理ですよね？ー ｢しばらくお待ちください。必ず渡しますから」 ーお願いしますー 若林さんの声が弾んでいるように思えた。