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番外編 類は類を呼ぶ

陽葵は小さなお手手をグーに握り一太に抱っこされてすやすやとねんねしていた。よくよく見ると左手で陽葵を抱っこし、右手で漢字の書き取りをしていた。よほど寝心地がいいのか天使みたいに可愛い寝顔を見せていた。 青空さんはというと一年生の国語の教科書を熱心に眺めていた。 「音読の練習中だ」 柚原さんが奏音くんと青空さんの間にちょこんと座り勉強を教えていた。 お兄ちゃんたちの邪魔をしないように太惺と心望の面倒は遥香と紗智さんがみててくれていた。那和さんは顔にフェースパックを貼り、バスローブ姿で優雅に缶ビールを飲んでいた。 「マー電話終わったの?」 那和さんが缶ビールを高く掲げた。 「若林さんビックリしてた?」 「それがね、若林さんも覃さんと宋さんの仲間かも知れない」 「もしかして隠れド変態ってヤツ?やだ、僕こう見えても人妻だからね。安心して外を歩けないじゃん」 那和さんが困惑していた。フェースパックで表情がいまいちよく分からないかったけど。 「あ、これ?今度面会に行くことになったんだ。久し振りに会うでしょう?真沙哉に可愛い顔を見せたから、くまだらけの顔を見せる訳にはいかないでしょう。だからお肌のお手入れをしなきゃ、そう思って」 「那和さんは何もしなくても綺麗だよ」 「そうかな」 フェースパックを外すと照れて真っ赤になる那和さん。幸せそうな顔に僕までなんだか嬉しくなってきた。

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