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番外編 どきどきの甘いひととき
「心配するな。今日は橘に見付からなかったぞ。ギリギリセーフだった」
にまにまと、悪戯っぽい笑みを浮かべる彼。
首筋にちゅっと軽く口付けをされた。
「ゆでたこみたいに真っ赤になっている未知の顔が見たいな」
照明のリモコンに手を伸ばそうとした彼を、だめだめ慌てて止めた。
「なんでだめなんだ?俺の楽しみを取る気か?」
「ううん、決してそういう訳じゃ……」
口ごもると首筋や脇の下などあちこちこちょこちょと擽られた。
「ちょっと待って遥琉さん、くすぐったいってば。陽葵が起きちゃう」
くねくねと体を捩らせ身悶えた。横に逃げられないから上に逃げようとしたけど、逞しい腕にすぐに掴まり引き戻された。
「だめ、逃がさないよ」
掠れた声で囁かれ、かっと首の後ろが熱くなった。
「遥琉さん、陽葵が本当に起きちゃうから」
かぶりを振って離して欲しいと訴えたのに、彼の長い腕は僕の腰を強く抱いて離そうとはしなかった。そのままするりと腰の下まで撫でられ、お尻から腿に触れた手の大きさと熱さにクラクラとめまいがした。
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