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番外編てんやわんやの大騒ぎ
「やっと寝てくれた。疲れた」
彼が布団の上に大の字で寝転がった。
目を覚ました太惺と心望が仲良く夜泣きをはじめたと思ったら、遥香がおしっこでたーと寝惚けて泣き出し、お姉ちゃんたちの泣き声につられて今度は陽葵が泣き出した。それからもぅ、上を下への大騒ぎになった。太惺と心望のオムツを交換したり、ミルクを飲ませたり。遥香をトイレに連れていったりして彼と協力してなんとか四人を寝かし付けた。
裸で家のなかをうろうろする訳にもいかないから、とりあえずシャツを羽織った彼。下はもちろん何も身に付けていない。
目の置き場に困りながら彼の体に布団を掛けた。
「ありがとう未知。今夜は大人しく寝た方が良さそうだな。おいで。腕枕をしてやる」
敷布の上に片腕をだらんと投げ出した。
「奏音くんも泣き止んだみたいだね」
「そうだな。これだけうるさくても起きない一太もたいしたもんだが、橘も柚原もたいしたもんだ。毎晩のように夜泣きする奏音をちゃんと寝ずに面倒をみているんだから。我が子でさえこんだけ大変なのに」
いまだおねしょをする奏音くん。うちに来てだいぶ経つのに暗い部屋で寝ることが出来ないでいる。
「光希さんの声を聞くと安心するみたいで、スマホを両手で抱き締めままいつの間にか眠っているって橘さんが話していたよ」
「そっかぁ……奏音は筋金入りのマザコンになりそうだな」
「そうだね」
彼の腕を枕代わりにしてごろんと横になった。
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