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番外編 若林さん

応接室をそぉーと覗くとちょうど若林さんが上半身裸になり蜂谷さんに写真を撮影してもらっていた。 「姐さんはオヤジ以外の男には一切興味はないーーそう聞いていた。本当だったんだ」 見慣れているはずなのに。今も彼の裸を見るとドキドキが止まらなくなる。彼以外の、若林さんの裸を見ても不思議とそんなにドキドキはしなかった。 「それ、噛み痕ですか?」 うなじと左胸の上に歯形が微かに残っていた。 「あ、これ?元カレが独占欲が強くて、噛み癖のあるひとで、しょっちゅう噛まれてたんだ。乳首を吸っても何も出ないのにしつこいくらい吸われて、これでもだいぶ腫れがひいたんだ」 若林さんの肘や腕に擦り傷があるのに気付いた。 「ドジだから、前を良く見てなくて段差や石に躓いて転ぶなんてしょっちゅうで。副社長に心配ばかり掛けているんだ」 若林さんは嫌な顔ひとつせず快く撮影に協力してくれた。 「姐さんはドキドキしなくても恥ずかしがり屋なんだ。早く服を着ろ」 青空さんが不機嫌そうに僕と若林さんの間にすっと立った。 「未知さんはみんなの未知さんだからね。大事にされているのがよく分かる」 若林さんがソファーの背もたれに掛けておいた服を身に付けはじめた。

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