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番外編 宋さん登場!
ー 一月に都内のガス会社にランサムウェアによるサイバー攻撃が仕掛けられ身代金を要求された事件で県内の介護老人ホームに居住する高齢男性に逮捕状 ーー。
夕方のニュースが第一報を伝えていた。
宋さん無事に仕事をやりきったんだ。良かった。生きててくれた。ほっと胸を撫で下ろした。
葬儀が無事終わり組事務所に帰ってきた彼を客人が待っていた。
金髪にした髪に、ひょろりとした細身の長身。シルバーのアクセサリーをあちこちにつけて、ちっとも高そうには見えないのにブランドモノの値の張る服を身に付けていた。
第一印象はホスト、じゃなかったらストリートミュージシャンといった見てくれだった。
「いやぁ~~参ったよ。かなり用心深い男でなかなか尻尾を出そうとしない。証拠を掴むのが大変だったんだ。ようやく会えたな、卯月。俺に会いたかったんだろう?俺は卯月より未知さんにずっと会いたかったけれどな」
多分だけど彼より七歳くらいは年下なのにため口で、敬語を一切使わない人。そう、客人は宋さんだった。
「これは仮の姿だ。気にするな」
ソファーにふんずり返りヒラヒラと手を振る宋さん。彼の眉間にどんどん皺が寄っていった。
「宋、座って挨拶するヤツがいるか。卯月さんに失礼だろう」
遅れてやったのは覃さんだった。
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