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番外編 宋さん登場!

「あれが今流行りのシェアハウスってものなんだろう?目の保養にはなるし、なかなかいいな。悪くない。お陰で毎日が充実している」 「それは良かったな」 「男ばかりでむさ苦しいし暑苦しいし、部屋は狭いが、不思議なんだ。若林がいるだけで目の前に花畑が広がるんだ」 「そうかそれは良かったな」 初対面にも関わらず挨拶もそこそこに延々と惚気話しを聞かされることになってしまった彼。 「同居生活二日目。若林はまだ警戒している。猫みたく毛を逆立てて威嚇してくる。でもそこがまた可愛い。全身なでなでしたくなる。友だちからと言った手前、お触りは厳禁だろう?触ったら最後、歯止めがきかなくなる。あ、そうだ。卯月、若林が作ってくれたんだ」 そう言って宋さんがスマホを操作し彼に自慢気に見せたのはお弁当の写真だった。 「新しい仕事の依頼が入って、ある運送会社で働いている。近くに店がないと言ったら若林が準備してくれた」 「果たしてお前の理性はいつまで持つか。狼に豹変するのも時間の問題だな」 「狼にはならない。俺もケリをつけないといけない男がいる」 宋さんが指で画面をスクロールさせた。 「なかなかいい面構えをしている。因縁の相手か?」 「あぁ、そうだ」 宋さんが頷くと、男性の後ろを指差した。 「ちなみにコイツが顔のない男だ。変幻自在。神出鬼没。カメレオンみたいな男だ」 彼が食い入るように画面を見つめた。

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