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番外編 宋さん登場!

「カメレオンだからボスとダオレン以外はヤツの本当の顔を知らない」 「なぁ、宋、覃、教えてくれ。黒竜は紫竜の指揮系統のもとひとつに纏まっているのか?それとも綻びが出始めているのか?」 「指揮系統は万全だと思っているのは紫竜のみ。白竜も緑竜も組織のカネをたんまりと貯めこみ雲隠れだ。ボスは二人とも帰国せず国内に潜伏していると睨んでいる」 「帰ったら間違いなく殺される。紫竜は裸の王様。日本語は難しい。意味は分からないがみな影でそう言ってる」 「俺たちのボスがボスで良かった。愛人《アイレン》が未知さんで良かった」 彼は二人の話しに熱心に耳を傾けながら、写真に写る男たちをじっと見つめていた。 「顔のない男が紫竜の可能性はゼロか?それとも……」 「ゼロとは限らない。能あるワルは爪を隠す。ボスがよく言ってる。俺たちをここに寄越したのも理由があるんだと思う」 「そりゃあ嫁探しに決まっているだろう。菱沼組の若いのはみな美男揃いだ」 「覃、少し黙ってろ。うるさい」 宋さんに睨まれ、覃さんは大人しくなってしまった。 「教団は確実に勢力を拡大している。いつか黒竜は飲み込まれるだろう。俺はここに残り、若林と未知さんを守ることにした。青空と蜂谷という最強の男が二人いるが、二人より三人いたほうが鬼に金棒だろう」 覃さんはビザの関係で一度帰国することになっているみたいだった。

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