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番外編 青空さんVS宋さん

「遥琉さん、お握り持ってきたよ」 お昼を食べ損ねた彼のためにお握りを作って組事務所に持っていった。客人がいると橘さんから聞いてはいたけど、まさかその客人が宋さんと覃さんだったとは。予想外だった。 青空さんと宋さんはテーブルを挟み一言も会話をせず睨み合っていた。 「ねぇ遥琉さん、何があったの?」 お握りが入った紙袋をそっと彼に渡した。 「ハチと青空の名前だけは覃から聞いて知っていたんだろう。俺も含め実際に宋に会うのは初めてだ。あの派手な身なりはあくまでも仮の姿らしい」 「てっきりホストかと思った」 「俺もだ。青空が着ているタンクトップからちらちらと見えるだろう。宋の大好きなアレが。青空だとは知らず後ろからガバッと抱き付き、青空から平手打ちを食らったんだ。それからずっとあんな感じで一言も喋らず睨み合っているんだ」 「そうだったんだ」 ちらっと二人を見た。 「挨拶代わりに俺の胸を揉むなどあり得ない。節操なしのこんなチャラチャラした男。姐さんの半径30cm以内立入禁止だ。姐さんには俺とハチがいる。心配無用だ」 青空さんは目を吊り上げていた。 「じゃあさぁ、襲ってくれ、触ってくれ、揉んでくれと言わんばかりの格好で俺の前をうろつくな」 「これが普段着だ。悪いか?」 「ムラムラしてくる。煽っているとしか思えない。おおいに問題ありだな」 「あ?」 青空さんがぴくりと眉を動かした。まさに一発即発の状態だった。

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