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番外編 青空さんVS宋さん
「いや、待てよ」
組事務所から出ようとした宋さんが踵を返した。
「もしかしてきみが未知さん?」
「はい、そうですけど……あ、あの、僕の顔になにか付いてますか?」
頭のてっぺんから足の爪先までくまなく見られさすがに恥ずかしくなった。
「電話の声も可愛いが、実物はもっと可愛いな。ボスは噂通りショタだったんだな」
「なんだ今ごろ気付いたのか?」
「悪いか。まさか本当にいたいげな子供に手を出すとは誰も思わないだろう」
覃さんに痛いところをつかれ頬っぺを膨らませ睨み返した。
「初めまして未知さん。宋です」
僕の左手を取ると手の甲にちゅっと軽くキスをされた。
「は、はじめ………」
言い終わらないうちに彼が拳を上げて向かってきた。
「宋、てめぇーー!人の女房に何してんだ!」
「オヤジ落ち着いてください!」
「喧嘩は駄目ってさっき姐さんに言われたばかりじゃないですか」
若い衆が三人がかりで彼を必死で止めた。
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