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番外編 やっぱりぱぱたんはすごいね

「やはり瞬殺だったか」 「うん。宋さんね、柚原さんに反撃する間もなかったよ。青空さんはデコピンを食らわないようにおでこに手をあててガードしていた」 「そうか」 窓辺に立つ彼が愉しげにくくくと笑い出した。 「いつの間にか後ろに柚原さんが立っていたから腰を抜かすくらい驚いたんだ。身長差をもろともせず三連発だよ。橘さんがいたら間違いなく二度惚れしていた。心望にも見せたかったな、ぱぱたんの勇姿。すごく格好良かったんだよ」 陽葵がやっと寝てくれたと思ったら、今度は太惺と心望が夜泣きをはじめた。 汗で背中がぐっしょり濡れてて、それが気持ち悪いのか、ふたりとも火がついたようにギャンギャン泣いていた。 「太惺を速攻で寝かし付けるから、未知は先に寝ろ」 「遥琉さんだって疲れているんだもの。悪いよ」 「悪くないよ、気にすんな。あ、そうだ」 太惺を縦に抱っこしお尻をぽんぽんと撫でながら藍色の空を見上げていた彼が急になにかを思い出したみたいだった。

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