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番外編たまには二者択一も悪くないだろう?

「何を訳の分からないことを言ってるんですか貴方は」 「た、た、橘」 太惺を抱っこし自室に戻ったはずの橘さんがいつの間にか脇に立っていたから、腰を抜かすくらい驚いた。 彼が慌てて布団を手繰り寄せると体に掛けてくれた。 「未知さんの裸は見慣れてます。遥琉の裸はもっと見慣れてます。別に隠さなくてもいいですよ」 橘さんがしゃがみこみ、布団を蹴飛ばして大の字で眠る遥香と心望に布団をそっとかけ直してくれた。 「邪魔をしにわざわざ戻って来たのか?」 「いえ、違います。国井さんから火急の用事があると柚原さんのスマホに連絡が入りました。遥琉はカミさんと盛り上がっている真っ最中だからと、柚原さんに連絡を寄越したみたいです」 「チカが襲われた。そんなまさかな」 当てずっぽうで言ったつもりだったけど、 「そのまさかです」 「冗談じゃなくて?」 「はい」 橘さんの目は嘘を付いているような目ではなかった。 「夜十一時過ぎに帰宅したら、家の中がめちゃくちゃに荒らされていて警察に通報しようとしたら、二人組の男たちがナイフを手にチカさんの前に現れたそうです。詳しいことは分かりませんが、チカさんは怪我をしていて市内の総合病院に緊急搬送されたみたいです」 「それは一大事じゃねぇか」 彼が慌てて飛び起きた。

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