2278 / 3260

番外編 チカちゃんが襲われた

ーおそらくひかりのみこか教団の仕業だろうー 若林さんか蜂谷さんに託した誉さんの忘れ物は、チカちゃんが預かっている。サプリメントなのか違法薬物なのかを鑑定している。 ーごめんな未知。邪魔をするつもりはこれっぽっちもなかったんだ。恨むならチカを襲った犯人を恨んでくれー 慌てていたからスマホを落としたことにも全く気付かなかった彼。電話が掛かってきて、着信音を手がかりに布団をごそごそと探ったら彼のスマホが出てきた。 電話を掛けてきたのは国井さんだった。 「チカちゃんが襲われて怪我をしたって聞いて、居ても立っても居られないくらい心配で」 ー連中はチカが女だと思い込んでいたのだろう。男だと知りかなり驚いたみたいだ。チカに護身術を教えておいて良かった。それが功を奏した。チカは一人を取り押さえたが、もう一人にはまんまと逃げられた。犯人と揉み合ったときに手の甲を引っ掻かれてみみず腫れになったみたいがそれ以外はたいした怪我はしていないー 「チカちゃんが大怪我をしたんじゃないか、生きた心地がしなかったんです。良かった。たいした怪我じゃなくて」 安堵したら目の奥に涙が溢れた。

ともだちにシェアしよう!