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番外編 色恋沙汰に疎い蜂谷さん

ーなんだまた紗智と喧嘩をしたのか?ー 「心配しなくても紗智とはラブラブだ。紗智に布団を温めておいてくれって頼んで少し部屋を離れたら、その隙に那和と亜優に寝場所を取られたんだよ」 ーなにも四人一緒に寝ればいいだろうー 「いや、それはちょっと……」 ー何かあったのか?ー 「実は昨夜、いつも使っている布団に寝ていたのが紗智だと思って布団に潜り込んだんだ。裸だったから準備万端で待っててくれたんだと嬉しくて。俺も服を全部脱ぎ捨てて抱き付いたんだ。酔っぱらっていたし寝惚けてて、そのあとの記憶が曖昧なんだが、目が覚めたら紗智じゃなく那和を……あぁ~~もぅ、変なことを思い出させないでくれ」 「鞠家さん、大丈夫ですか?」 「な、なんでもないです。さっきのことは忘れてください」 「なんだかんだいいながら妻と毎晩いちゃついていられるお前らには、一人寝の寂しさは分からない。国井、たまには朝までオンライン飲み会も悪くないだろう」 ーハチが慰めてくれるのか、嬉しいなー 「もれなく青空がついてくるがいいか?」 ー構わないさー 国井さんが一呼吸置いてから、言いにくそうに言葉を続けた。 ー余計な世話かも知れないが、離れて暮らすタマより四六時中側にいる青空を好きになる、なんてことがないようにしろよー 「は?言っている意味がよく分からないが」 ーたく、お前は…… ー 国井さんは舌打ちしたのち、 ー相変わらず色恋沙汰には疎いよな。たまにはまわりを見ろってことだ。じゃあ、一旦切るぞ。また掛け直すー そう言うと電話を切った。

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