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チカちゃんお帰りなさい!
「嚇一跳(シァイーティァオ)!」
「吃驚(チージン)!」
「嚇死了(シァ スーラ)!」
驚いたような紗智さんたちの声が一斉に聞こえてきた。
「みなさん目が覚めたようですね。寝るのも一緒、起きるのも一緒。まるで三つ子みたいな三兄弟ですね」
「はい、そうですね」
紗智さんたちに悪いことしちゃったかな。
理由を説明して、あとでちゃんと謝っておかなきゃ。
急なお願いにも関わらず、石井さんは嫌な顔ひとつせず、山のようなきゃべつと青じそをすぐに持ってきてくれた。強面の若い衆にびびる石井さんではない。エントランス前に軽トラを横付けすると、若い衆にテキパキと指示を飛ばし荷台から野菜を下ろすと、いつも卯月さんには世話になっているから金はいらない。そう伝えてくれと言い残すと颯爽と走り去った。
「ママ、さっちゃんたちおきたよーー」
遥香がひょっこり顔を出した。
「わぁ~~おいしそう」
遥香がお皿の上にでーんと盛られた唐揚げをじぃーと見つめた。
「ひとつ食べてもいいですよ」
「え?ほんとに?ままたん、ほんとにいいの?」
「えぇ。味見も大切なお手伝いです。火傷に気を付けて。ちゃんとふーふーしてから食べて下さい。ハルちゃん、手掴みは駄目ですよ。さっきも言いましたが揚げたてですから火傷をしたら大変です」
唐揚げに手を伸ばしていた遥香。ギクッとすると慌てて手を引っ込め、えへへ、ごめんなちゃい、笑って誤魔化した。
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