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番外編チカちゃんお帰りなさい‼

「ウーさん、ヤーチェンをハルちゃんに渡してください」 美味しそうな匂いにつられたのかウーさんまで顔を出した。悪戯大好きっ子ばかりだから食器棚の一番上、子どもたちの手の届かない場所に爪楊枝を隠してある。ヤーチェンとは中国語で爪楊枝みたい。 僕は小さいから背伸びをして手を伸ばしてやっと届くけど、ウーさんは背が高いからその必要はない。 唐揚げをひとつ刺すとふーふーと冷まし、遥香にどうぞと笑顔で渡した。 「ありがとー、ウーしゃん。おいち」 遥香が頬っぺに手をあてて歓声をあげた。 「ウーさんもひとつどうぞ」 首を傾げながら橘さんのほうを見るウーさん。 「たべていいって、はい、どーじょ」 爪楊枝をウーさんに返した。それでようやく理解することが出来たのか、両手を合わせイタダキと言うと、一番大きな唐揚げを見付けたのか嬉しそうに爪楊枝を刺した。ウーさんって、体は大きいけど中身はまだまだ子どもだ。だからかな?子どもたちととっても馬が合う。

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