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番外編 狙いは僕と子どもたち

「おぃ、二階は関係者以外立入禁止だぞ」 「あれ?おかしいな。二階にトイレがあると聞いたのですが」 「トイレはこっちだ」 根岸さんの声と男性の声が聞こえてきて、足音が聞こえなくなった。でも、蜂谷さんと青空さんは臨戦態勢のまま微動だにしなかった。その直後だった。火のついた爆竹が投げ込まれたのは。 「煙を察知したらスプリンクラーが作動する」 「安眠妨害もいいところよ」 鳥飼さんが着ていた上着を脱ぐと頭にすっぽりと被せてくれた。 バンバンと激しく爆竹が鳴り、奈梛ちゃんは耳を両手で押さえギャンギャン泣き出した。 青空さんが長い足で爆竹を踏み潰すと、すぐにまた爆竹が投げ入れられた。 「素手で掴んだら火傷するぞ」 「誰が素手で掴むと言った」 青空さんはにやりと笑うと、足で爆竹を蹴り飛ばし階段へと投げた。壁にあたり跳ね返りながら爆竹はゆっくりと落下していった。 「姐さん!」異変に気づいた根岸さんが階段を一気に駆け上がり駆け付けてくれた。

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