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番外編 狙いは僕と子どもたち
「爆竹があちこちで一斉に鳴り出した。向こうの国では旧正月に爆竹や花火で派手に祝う習慣があるからな。こっちの反応を見て楽しんでいるとしか思えない」
根岸さんが奈梛ちゃんの前にしゃがみこむと両方のポケットから何かを取りだした。
「オレンジとキウイフルーツだ。今が食べ頃だ。うめぇぞ。ほら」
笑顔で話し掛けながら差し出した。
奈梛ちゃんは助けを求めるように鳥飼さんとフーさんを交互に見上げた。
「ありがとうって、もらったらいい」
「うん」
大きく頷き、手で涙を拭うと両手を広げ受け取った。
「美味しそうだな。10時のおやつにしような」
さっきまで怯えてギャン泣きしていた奈梛ちゃん。涙も止まり、にこにこの笑顔を見せてくれた。
「根岸さんありがとうございます」
鳥飼さんが頭を下げた。
「こんなのお安いご用だ。奈梛には泣いた顔より笑った顔のほうが似合うからな」
奈梛ちゃんの頭を撫でるとすっと立ち上がった。
「ガソリンが漏れている。爆竹の火がいつ引火してもおかしくない。姐さん、度会さんの家に避難しましょう」
根岸さんの表情も声色も一変した。
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