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番外編 狙いは僕と子供たち

アンダーシャツからはみ出した引き締まった肩と腕をよくよく見ると牡丹の刺青がしてあった。 「女性にしては逞しくない?」 「そうですか?」 「枕木のように頑丈な腕をしている。女性の格好はしているけど、本当は男じゃないかな」 「そんなまさか……」 「あの刺青、どっかで見たことがあるのよね。どこだったかしら?」 「もう一人の犯人、とか……そんな訳ないですよね?」 「う~~ん、刺青らしきものはなかったと思うんだけど……」 そのとき弓削さんの大きな手が僕とチカちゃんの視界を遮った。 「ちょっと弓削!前が見えないわよ!」 「見えないほうがいい。壱、車を早く出してくれ。姐さんと子どもたちには見せたくない」 「は、はい、分かりました」 亜優さんが乗り込んだのを確認してから壱東さんが慌てた様子で車を発進させた。 「あの女……ニタニタと楽しそうに笑っていた。頭から血をだらだらと流しながら……」 「コ・ロ・セ。コ・ロ・セ。と、呪文を唱えていた。常軌を逸している」 蜂谷さんと青空さんが睨むように外を見つめた。

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