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番外編 チカちゃんのお父さん
「ガキの喧嘩でもあるまいし。何やってんだか」
度会さんがゲラゲラと笑いながら、二個目のおにぎりを食べはじめた。
「千里は元気にやってんのかな?参ったな。チカの声を聞いたら、千里の声も聞きたくなった」
度会さんが紫さんにすぐスマホを持ってくるように頼んだ。
「五月蝿くてますます寝れないような……気のせいか?」
「うん、気のせいだよ。きっと」
彼の顔を見下ろすと怪訝そうにしかめっ面をしていた。
「遥琉さんはチカちゃんのお父さんのことを知ってるの?」
「カミさんが妊娠中に他の女と浮気していてそれが原因で離婚したみたいだ。例の結婚式場に斡旋してもらい中国人女性と見合し、再婚してシェドが生まれたって聞いたぞ」
「じゃあ、度会さんの甥っ子さんとさほど年が変わらないんだ」
「そういうことになるな。一度年表を書こう。ちんぷんかんぷんで頭がおかしくなりそうだ」
「僕も」
彼がちらっとチカちゃんと度会さんを横目で見た。
千里さんとかなり話しが盛り上がっているみたいだった。
「未知、もうちょい顔を下げられるか?」
「うん。でもどうして?」
「説明はあとだ」
後頭部に彼の大きな手が触れてきて。
ぶちゅっと彼の唇が唇に押しあてられた。
「海苔が付いているぞ」
ニヤリと笑うとぺろっと唇を舐められた。何もこんなところでキスしなくてもいいのに。恥ずかしく頬を真っ赤にした。
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