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番外編 彼と譲治さん
「からい?」
「からくないよ」
「甘口だから、なやちゃんたべれるよ」
「ごはんできたてだから、あっちぃから、ふーふーしてあげるね」
「ありがとー」
先にご飯を食べ終わっていためぐみちゃんと優輝くんがつきっきりで奈梛ちゃんの面倒をみてくれた。
幸ちゃんはというと、どこでどう笑いの坪に入ったのか分からないけど、お腹を抱えて遥香と笑い転げていた。
「なにがそんなに面白いのかな?おなかいたくならない?大丈夫?」
めぐみちゃんがそんな二人を心配そうにちらちらと何度も見ていた。
「譲治と覃、いい感じゃない?」
チカちゃんに言われ二人を見ると、縁側に並んで腰を下ろしまんまるい月を見上げていた。覃さんはどさくさに紛れて譲治さんの肩を抱き寄せようとしたけど、その度、譲治さんはその手を払いのけていた。
もしかしたら首や項のあたりを触られるのが嫌なのかも知れない。
覃さんが譲治さんの髪に触れようとしたらびくっとして肩をすくませた。怯えて急に泣き出した譲治さんにどうしていいか分からずおろおろする覃さん。
「たく、泣かせてどうするんだ」
見るに見かねた彼が二人のもとに急いで向かった。
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