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番外編♪ゆき、ゆき、ゆきうさぎ♪

「心望と太惺はノリノリだね。幸ちゃんも上手だね」 「手拍子をして、お尻をフリフリして、乗りに乗ってますよ。この歌、一度聞いたらしばらく頭から離れませんね」 「でも、これだけ五月蝿かったら、ご近所さんから苦情が来ませんか?あれ?止まった?」 「完売して店じまいになったのかも知れませんよ。未知さん、その伊佐木、新鮮なうちに捌かないと……」 「あ、そうだった。この魚、伊佐木って言うんですか?橘さんは何でも分かるからすごいです」 「魚に関しては柚原さんと久弥さんが一番詳しいですよ。私はかじった程度です。伊佐木の旬は五月から七月。梅雨の時期の今が一番美味しい魚です」 歌が流れて来なくなり子供たちのダンスもぴたりと止まった。 「あー!」「わー!」 太惺と心望が驚いたような声を出し、魚を指差した。 「こんなにも大きいお魚さん初めて見るから驚いたよね?ままたんに美味しく料理してもらおうね」 「捌く担当は柚原さんで、下ろす担当は久弥さんですけどね。今日のお昼ご飯はご馳走ですよ。楽しみに待ってて下さいね」 きゃきゃとはしゃぎながら、子供たちがぱちぱちと両手を叩いた。 「譲治、歩きながら食べるのは行儀が悪いぞ。座って食べようか。子供たちが真似をする。青空、お前もだ」 彼の手のひらくらい大きなコロッケを頬張りながら庭をウロウロしていた二人にヤスさんが痺れを切らし注意した。

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