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番外編 あつ~~い視線
「ヤスは気付いたか?と譲治が言ってる」
「何をだ?」
「男がこちらの様子を探っていたことにだ」
「チカを襲った犯人の一人に酷似している男だろう?」
「なんだ知っていたのか。それならそうと早く言ってくれ。パトロールするにも小腹が空いたのでは戦ができぬだろう?」
「お前の言うことも一理ある。でもな青空、それとこれとは別だ。あつ~~い視線を感じないか?」
「あつ~~い視線だと?」
青空さんがちらっと後ろを、縁側のほうを見ると、太惺と心望が指を咥え、涎を垂らしながら、青空さんたちをじぃーーっと凝視していた。
「やけに大人しいと思ったら………こっちはこっちで好き勝手なことをしているし。はぁ……参ったな」
ヤスさんが頭を抱えるのも無理がない。譲治さんはしゃがみこみ、下に落ちた食べかすに集まってきた蟻を熱心に眺めていた。
「ヤスさん、オヤジと会長がお呼びです。急いで行ってください。譲治は俺と青空でみますので」
鍋山さんが慌てて駆け付けてきた。
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