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番外編本日も晴天、菱沼組は平和なり
「人目もはばからずイチャイチャして。相変わらず仲がいいな。二人を見ているとほっとする。本日も晴天、菱沼組は平和なりってな」
「度会さん、冷やかさないで下さい」
「冷やかしてねぇぞ。本当のことを言ったまでだ」
ゲラゲラと機嫌よく笑う度会さん。
「弟子は師とともに、影の形にそうようにして一生をかけて長い旅をする。譲治もいつか鍋山の思いに気付く日が来る。それまで紆余曲折色々あるが、怒らず、温かい目でみてやってくれ」
「はい。そのつもりです」
「遥琉に言いたいことがあったんだ。あやまったな。忘れちまった。腹ごしらえをしたら思い出すべ」
「未知も一緒に飯を食べよう」
「うん。あ、でも……」
鍋山さんと譲治さんをチラッと見た。
「お粥だけじゃすぐお腹空くよね?」
「青空も譲治も育ち盛りだからな」
本当はみんなで一緒に食べてほしいけど、譲治さんはしばらく動きそうにもない。
「俺より未知が声を掛けたら来るんじゃないか?」
「そうかな?」
「マーの言うことならちゃんと聞くと思うぞ」
彼に言われ、譲治さんを驚かせないように「ご飯を一緒に食べよう」って静かに声を掛けた。つもりだったけど、
「あっ!」
譲治さんは驚いたような声をあげると、いきなり立ち上がった。
「思い出した!俺、会ったことがある」
「藪から棒にどうした?」
鍋山さんも何事かと驚き目をぱちぱちさせていた。
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