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番外編 青空さんは本部からの借り物
「ハチと青空のラブラブカップルが、弓削のいない分、ちゃ~んと埋めてるわよ」
「青空は本部からの借り物だ。弓削が帰ってくればここにはもういれない」
「えぇ~~!うっそぉ~~!」
ひときわ甲高いチカちゃんの声に思わず耳を押さえる彼。
パニックを起こしていた譲治さんも驚いて、ピタリと動きが止まった。
「アタシ、聞いてない」
ムッとして彼を睨むチカちゃん。
「相変わらず声がデカイな。鼓膜が破れるかと思ったぞ」
「だってぇ、もう二度とハチと青空のラブラブっぷりを見れなくなるんだよ。楽しみがなくなるじゃん。寂しい」
「あのな、チカ……」
彼が返答に困り、額に手をあてて深いため息をついた。
「アタシ、てっきり、罪滅ぼしに尊と福島で暮らすのかと思ったのよ。たまにハチとタマ夫婦とすわっ……うぅ~~~!!」
「怒られたくなかったらお口チャックだ」
彼が慌ててチカちゃんの口を手で覆った。
「遥琉さん?」
「なんでもない。飯にしよう。ほらチカもだ」
彼がそっと手を握ってくれた。
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