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番外編 一抹の不安
「やだ、アタシ愛されてる~~」
「殺し屋から愛されてもろくなことひとつもねぇぞ。命だっていくらあっても足りない。サタンを殺さなければ地獄に落ちる。そうマインドコントロールされているんだろう」
昼ご飯を慌ただしく済ませると、防弾チョッキを身に付け、護身用のナイフをポケットのなかにそっと忍ばせた。
「遥琉さん、上着……」
「お、ありがとう」
上着を肩に羽織ると、腕を袖に通した。
「市内でパトロールをしていたデカが不審な県外ナンバーの車を発見し、職務質問しようとしたら、いきなり襲われて銃を奪われたらしい」
柚原さんもエプロンを脱ぐと顔付きがガラリと変わった。
「ヤスから連絡は?」
「まだない」
「無事だといいが……」
一抹の不安を感じながら子どもたちを迎えに出掛けた。玄関先で二人の姿が見えなくなるまで見送った。
「きっと大丈夫よ。ネギちゃんと伊澤がヤスの助っ人に向かったから。今、ちょうど起きたところよ。オムツは交換しておいたわ」
「ありがとうチカちゃん」
部屋に戻るとチカちゃんから陽葵を渡された。口をぱくぱく動かしながら、おっぱいを探す仕草がなんとも愛らしい。
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