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番外編 四季さんはヤスさんの大事な娘
その頃、ヤスさんは途中で車を乗り換え、四季さんと待ち合わせした幹線道路沿いにあるコンビニエンスストアに大急ぎで向かっていた。
ヤスさんは四季さんのことになると人がガラリと変わる。
僕はまだ四季さんに会ったことはないけれど、ヤスさん曰く目がくりくりしてて、笑った顔が最高にめんこくて、おじさんたちの癒しみたい。
いつか四季さんと会ってみたいな。
「俺の大事な娘に傷ひとつ付けたらただじゃおかねぇぞ」
臨戦態勢に入り指をぽきぽきと鳴らすヤスさん。ハンドルを握る弟分の佐治さんは生きた心地がしなかったと思う。
「どうした?」
急に減速した佐治さんにヤスさんが怪訝そうに聞いた。
「兄貴、あれ四季さんじゃないっすか?」
「こんなところにいる訳……」
窓から身を乗り出して見ると確かに四季さんだった。三人のガソリンスタンドの店員と、スーツ姿の男たちに囲まれていた。四季が危ない!ヤスさんは車から飛び下りると拳を振り上げ四季さんに駆け寄った。
「待ってヤスさん。違うの」
四季さんが慌ててヤスさんを止めた。
前から猛スピードで突っ込んできた自転車を避けようとしたとき、キャスターが側溝の蓋、グレーチングにはまりそのまま動けなくなってしまったみたいだった。通り掛かった通行人がガソリンスタンドに助けを求め、みんなで車椅子を持ち上げ無事に脱出することが出来た。四季さんの説明に、早とちりしてすまん。ヤスさんは頭を下げ謝り、改めて感謝の言葉を述べた。
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