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番外編 彼の心配事

「今日も泊まれるの?ってみんな大喜びだった」 「明日も学校だから早く寝て欲しかったんだが。こればかりは怒る訳にもいかないしな」 「うん」 目がすっかり覚めてしまい、寝れないよーを連呼していた子どもたち。 二人の寝かしつけのプロも今日だけはかなりの苦戦を強いられていた。 「寝顔はまさに天使だな。ついさっきまで夜泣きしていたとは思えないな」 「うん、そうだね。子どもたちの寝顔を見ていると一日の疲れが一瞬で吹き飛ぶ」 「朝から色々会ったからな。未知、お疲れさま」 「僕はなにもしてないよ」 「子どもたちの世話だけで大変なのに。譲治の面倒までみてくれただろう?ありがとう」 額の髪を指で左右に分けると、そこにちゅっ、と軽くキスをしてくれた。 「あぁ、そうだ。思い出した」 にっと悪戯っぽく笑った。 「えっ」 すごく嫌な予感がするんだけど。 何をするかと思ったら。 僕の手を自分の口元まで持っていって、ちゅっとてのひらに口付けた。 「すっかり忘れるところだった。未知は手の甲だけじゃなく、てのひらも感じるんだったよな」 「ちょっと、待って……」 手を引っ込めようとしても、がっしり掴まれていて逃げることが出来なかった。

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