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番外編 彼の心配事
何をしていても遥琉さんが手を握ってくれる。その安心感が、大事にされている感じがして、嬉しくて仕方がない。
なんて言ったら間違いなく暴走するでしょう。犯人の一人は銃を持ったまま逃走中でまだ捕まっていないだもの。
「なにもしない。約束する。だから一緒に寝よう」
僕の手のひらに唇をくっつけたまま彼が真剣な眼差しで見つめてきた。
「本当になにもしない?」
決して彼を疑う訳じゃないけど、なにもしないと言っても、今まで大人しく寝たことがないような。気のせいかな?
「疲れているきみに無理強いをさせるつもりはない。本当に一緒に寝るだけだ。たまには甘えさせてくれ」
彼が手を引き僕のことを抱き寄せた。
彼が布団に仰向きに倒れ、手を離してもらえなかった僕は彼の胸の上にのし掛かるように倒れ込んだ。
「遥琉さんが潰れちゃう」
「そんなに柔じゃない」
「あ、でも……」
「大丈夫だって言ってるだろう?心配してくれてありがとう」
ぴたりと隙間なく密着して、彼の香りを鼻腔いっぱいに吸い込んた。
石鹸の匂いにほんのり汗の香りが混じっていた。
胸の上で心音を聞いているのがあまりにも心地よくて、うっとりして目を閉じた。
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