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番外編 彼の心配事
「ロケット花火がマンションのエントランスに打ち込まれたのか?ボヤ程度で済んで良かったな」
ーそれがね騒ぎに乗じてマンションの一室に三人組が押し入り、宇賀神組が石山に人質として差し出していた関係者を拉致したみたいよ。ご丁寧に大昔に使っていたアタシの顔写真入りの名刺をわざわざ置いていったんだってー
「おおかた捜査を撹乱するために石山が仕組んだ自作自演だろう。千里の名刺か?甲崎が泣いて喜んだだろう?」
ー昔も今も全然変わらない。むしろ、人妻になり、ママとなった今の千ちゃんのほうが断然可愛いって。甲ちゃんがね褒めてくれたの。いやぁ~~ん、もぅ、恥ずかし~~いー
「はい、はい」
襖一枚隔てていても千里さんの声はよく通る。
「分かったから、もうしゃべるな。太惺が起きそうなんだ」
ーもし起きても、お世話大好きなチカが面倒をみてくれるわよ。それにとっても頼りになるお兄ちゃんたちもいるしね。未知といくらでもイチャイチャ出来るでしょう?ー
お手手をバンザイしてねんねしていた太惺がぐすりはじめ、それにつられて心望と陽葵の体がごそごそと動きはじめた。
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