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番外編 彼の心配事
「そっとしておけば寝るかも知れない」
小声で言うと「しー」と彼が人差し指を唇の前に立てた。
彼の胸にぎゅっとしがみついて、声を出さず、じっとして動かないでいた。そしたらし~んとして静まり返った部屋に、ぶぶぶぶーー!と大きなおならの音が立て続けに二回鳴り響いた。
二人に見付かるから笑っちゃいけない。必死で我慢した。でも、陽葵までぷぷぷーーっと可愛らしいおならをしたから、さすがに我慢しきれず、彼と声を出して笑ってしまい、太惺と心望に見付かってしまった。
それから数分後。
「笑って見てないで助けてくれ。おぃ、写真を撮るな」
寝起きとは思えないくらいキャキャとはしゃぎながら、彼の顔の隣にお座りすると、ペタペタと顔を触ったり、目や鼻先や頬にちゅっ、ちゅっ、とキスをしたり、口の中に指を入れ思いっきり引っ張ったりして、彼の顔で遊びはじめた。
「たいくんとここちゃん、かぁーいい!」
橘さんとチカちゃんはお腹を抱えて笑っていた。柚原さんはスマホで写真を撮りまくっていた。
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