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番外編 彼の心配事

「鷲崎まで起こしたらただじゃおかねぇぞ」 「写真を送信するだけだ。そのくらいでは起きない……」 柚原さんの手が止まった。スマホがぶるぶると振動していた。 「オヤジすみません。前言撤回します」 「だから言っちゃこっちゃないだろう」 「たいくん、鷲崎のおじちゃんからだ。ぱぱたんと一緒にもしもししようか?おいで」 スマホをズボンの後ろのポケットに入れると両腕を伸ばし太惺を抱き上げた。 「たいくん、パパとママにバイバイしようか?今日はお兄ちゃんたちとねんねしような」 柚原さんに頭をぽんぽんと撫でてもらうと太惺はニコニコの笑顔を浮かべ、手をぶんぶんと振った。 これは当分寝そうにない。目がらんらんと輝いている。 「チカさん、遥琉が駄々を捏ねる前に私たちも退散しますよ」 「ここちゃん、お姉ちゃんっておいで」 チカちゃんが両手を大きく広げると、心望も満面の笑みを浮かべ手をすっと差し出した。

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