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番外編 渋川さんと真山さん
「チカ、そろそろ出掛けないと新幹線に乗り遅れるぞ」
根岸さんがチカちゃんを呼びに来た。
「渋川と真山はオヤジと会長にみっちり絞られている。宇賀神組の若頭がこっちに向かっている。渋川の上をいくめんどくさい男だ。掴まる前に出掛けたほうがいい」
「ありがとうネギちゃん。未知、行ってくるね。ハルくんに宜しくね」
チカちゃんが玄関に向かおうとしたら、幸ちゃんがばたばたと駆けてきて。チカちゃんの足に後ろからぎゅっと抱き付いた。あとを追い掛けてきた太惺と心望も。
「みゆちゃん、たいくん、ここちゃんありがとう。チカお姉ちゃん、悪者をやっつけてくるから、お利口さんにして待っててね。また一緒に遊ぼうね」
「かえってくる?ほんとに?」
「チカお姉ちゃん、今まで嘘を付いたことある?」
幸ちゃんがまばたきもせずじーとチカちゃんを見上げた。
「じゃあ、こうしよう」
チカちゃんがしゃがむと、一人ずつ、指切りげんまんをしてくれた。
「ちょっとネギちゃん、パンツ見ないでよ」
「だったらそんな丈の短いスカートを穿かなければいいだろう。生憎俺は……」
「おやっさんにしか興味がないってでしょう。言わなくても分かるわよ」
クスクスと笑いながらチカちゃんがすっと立ち上がった。
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