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番外編 チカちゃん焼きもちを妬く

「可愛い一人娘を嫁に出す気持ちか。悪いな、さっぱり分からない。卯月とヤスに聞いてみたらどうだ?」 「滅多な事では決して怒らない仏の兄貴を、真山が本気で怒らせた。当分口を聞いてもらえない。カシラにもみっちりしごかれる」 はぁ~~深いため息をつくとがっくりと肩を落とし頭を両手で抱えた。 秦さんが到着したとき、国井さんと渋川さんは縁側に並んで座り、ぬるめのカフェオレを飲みながら和やかなムードで話していた。 「俺のチカに火傷をさせやがって!」 渋川さんの胸ぐらに掴みかかる国井さん。拳を振り上げた。 取っ組みあいの喧嘩になると居合わせた誰もがそう思った。でも……。 「国井~~会いたかった~~」 「俺もだ~~渋川~~」 二人は熱い抱擁を交わすと、 「千景がいつの間にか女になっていて、お前と結婚していたとはな。驚いた。水くさいぞ。なんで一言くらい言ってくれなかったんだ」 「すまない。そういういえば若頭補佐に抜擢されたんだろう?また一段と男をあげたな」 「そういうお前こそ」 お互いの体をぺたぺたと触りはじめた。 熱い男の友情というものをこれでもかと見せつけられたチカちゃん。ため息をつくと、 「あぁ~~もぅ、バカバカしくて見てらんない。アタシじゃなくて、渋川に会えて良かったわね」 嫌味を言うとぷいっとそっぽを向いた。

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