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番外編 槇島さん
「赤ちゃんが寝ています。喧嘩をするなら外でして下さい」
橘さんがふらりと現れて。がらっと窓を開けた。縁側の下にいつの間にか靴が綺麗に並べられてあった。
「あまりじろじろ見ないでいただけますか?新婚の奥様に通報しますよ」
「いやぁ~~なかなかいい尻をしている。こんなにも色っぽい割烹着姿そうそう拝めるものじゃないだろう。ちらちらと見える項がまたいい。かぶりついて思う存分吸いたくなる」
にやりと舌なめずりをした。
「あの槙島さん」
橘さんが言い返そうとしたら柚原さんがごほんと咳払いをした。
「そうやって今まで何人の人妻を口説いて来たんだ?お前は何回旦那から訴えられたら分かるんだ?」
「両手では数えきれないな。裁判沙汰になる前に示談している」
「相手の弱みに付け込んで、逆に脅したんじゃねか?」
「人聞きの悪いことを言うな」
槙島さんは素直に縁側に向かった。
でもすれ違いざま橘さんのお尻を触るとやわやわと揉んだ。
「ちょっ……」
平手を食らわせようとした橘さんの手首をさっと手で払いのけた。
「なかなかいい揉み心地だ。柚原には勿体ないくらいいい女だ。橘、俺のイロにいつでもしてやるぞ」
「お断りします」
「そう固いことを言うな」
「舎弟も舎弟なら、主も主か」
柚原さんが嫌みたっぷりに言うと、槙島さんを睨み付けた。
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