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番外編 思わぬ逆襲
子どもたちがいる部屋に戻ろうとしたら槙島さんが連れてきた舎弟さんたちに通せん坊をされた。
「ガキだな」
覃さんが肩に譲治さんを担ぎ、すっと前を横切った。聞こえるようにわざと大きな声でそう吐き捨てて。
「おい、もう一回言ってみろ!」
舎弟さんたちが白目も見えるほどに目を見開いた。
「ガキだな。そう言ったんだ。本当のことを言って何が悪い」
「てめぇー!」
拳を振り上げ、しゃがれたうなり声をあげた。
覃さんはふっと微苦笑すると、片方の手に握っていた何かを男たちに向かって勢いよく撒き散らした。
「なにすんだ!」
「止めろ!」
「目に入った。いてぇー!」
思わぬ反撃を食らい、男たちはくしゃみをしながら蜘蛛の子を散らすように慌てて逃げ出した。
「日本にはいろいろな習慣があって面白い。来た甲斐がある」
「覃、強い」
「当たり前だ。俺を誰だと思ってんだ。胡椒入り特製塩の効果はてきめんだっただろう」
譲治さんはすっかり落ち着きを取り戻したみたいだった。
「覃、やるときはやるな。見直したぞ」
「たまには未知を守らないとボスに怒られるからな。強制送還を食らったら譲治に会えなくなるだろう」
にやりと笑うと何事もなかったように譲治さんを肩に担いだまま、どこかに行ってしまった。
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