2414 / 3575

番外編 思わぬ逆襲

「未知さんを構いたい気持ちは分かりますが、よってたかって未知さんをいじくりこんにゃくして。困ったパパと弾よけさんたちですね」 着替えをしようと思ったら、彼が乱入してきて俺もお姫様抱っこしたいと駄々をこねて大変なことになった。 眠くてご機嫌ななめだった太惺と心望に、パパあっぷ。めっと怒られ、ギャン泣きされ、意気消沈しすっかり凹んでしまった。 「それが例の取扱説明書ですか?」 「そうです」 「見せてもらってもいいですか?」 「はい」橘さんにメモ帳を渡した。 筆跡を見るなり、森崎さんでなく、鷲崎さんが書いたものだとすぐに気付いた橘さん。一番最後のページには七海さんと二人で撮影したプリントシールが貼られてあった。太惺をなんとか笑わせようと子供たちが好きな幼児番組のキャラクターになりきっていた。鷲崎さんは中途半端なことが嫌いだから、何事にも全力投球だ。 彼からプリントシールを見せられた太惺と心望。速攻でぴたっと泣き止むと、キャキャと声をあげて笑いだした。 あれほど眠くてくずっていたのに。嘘みたいに眠気がどこかに飛んでいってしまった。

ともだちにシェアしよう!