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番外編思わぬ逆襲
組織に歯向かったらこうなる。見せしめのために叔父貴みたくカシラも石山に消される。渋川さんと真山さんは市内を駆けずり回り槙島さんを必死で探したけど、行方を掴むことはできなかった。
「携帯も繋がらない。パチンコ店にもマージャン店にもいない。競輪の場外車券売場にもいない。どこに行ったんだ」
渋川さんはほとほと困り果ててしまいには頭を抱えてしまった。
覃さんから塩胡椒を撒き散らされた弾よけさんたちも槙島さんと行動を共にしているみたいで、連絡がまったくつかない。なんのためにスマホをもってんだと真山さんがイライラしていた。
「遥琉さん、空港の近くにあるボートピアに行ったとかはないよね?さっきスマホを見たら、今日レースがあるみたいだよ」
「ボートピアか。こっから四十分はかかるな。須釜に連絡をしてみるか」
「須釜さんって、須釜製作所の?」
「名字は同じだが別人だ。空港があるT村は須釜姓が多いみたいなんだ。須釜はカミさんの実家を継ぐためにやくざを辞めて果樹農家になった。いまも連絡を取り合っている」
「そうなんだ。全然分からなかった」
「須釜が龍一家を辞めたのは二年も前だ。知らなくても無理ない。誰もきみを咎めないよ」
彼がにっこりと微笑んで頭をぽんぽんと撫でてくれた。
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