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番外編 渋川さんVs.須釜さん

「宇賀神組の槙島を覚えているか?」 ーあぁ。あのくそ生意気な青二才か。噂じゃあずいぶんと出世したみたいだなー 「その槙島が命を狙われているんだ。ギャンブル好きだからボートピアに向かった可能性がある。今すぐなんて行けないよな?」 ーちょうど袋かけをしていたところだ。兄貴の頼みを断ったらそれこそバチが当たる。すぐに向かうー 「須釜、相手は銃を所持している。うちの若いのと渋川たちがそっちに向かっているが、くれぐれも気を付けてくれ。須釜、悪いな。危ない橋を渡らせて」 ー気にしないで下さい。兄貴が俺を頼ってくれる。それがどけだけ嬉しいか。男冥利につきます。兄貴……ー 須釜さんの声のトーンが下がった。 「どうした?」 ーさっき渋川って言いましたか?ー 「あぁ言った」 ーあんにゃろーー俺の兄貴に………ー 彼がぶちっと一方的に電話を切った。 「遥琉さん、大丈夫なの?」 「須釜と渋川は昔からいろいろあってな。因縁の間柄だ。ほっとくのが一番」 上着の胸ポケットにスマホをしまった。 僕が彼と出会う前、彼を巡り何度も取っ組みあいの喧嘩をしたと橘さんがそっと教えてくれた。 遥琉さんの体をべたべたと触りまくり、妙に馴れ馴れしい渋川さんに須釜さんの堪忍袋の緒が切れたみたいだった。

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