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番外編 天知る地知る我知る人知る 悪事千里を走る
ー観葉植物?あぁ~~もしかしてあれか。何の罪もないのに誉に八つ当たりされ蹴られて。かわいそうだから安全な場所に移動したんだ。姐さんの出産祝と一太の入学祝に石井さんがプレゼントしてくれたんだよー
初耳だった。
ーあれ?オヤジ言ってませんでした?ー
「はい。初めて聞きました」
ードラセナ、幸福の木っていう名前だからきっと縁起のいい観葉植物だと思うんだ。根岸さんとおやっさんに頼んですぐに確認してもらいます。しかしまぁ、よく思い出しましたね。さすが俺たちの姐さんです。鼻が高いですー
「鞠家さん、僕じゃなく紗智さんを褒めてあげてください。いつも頑張ってくれて。すごく助かっています」
ー分かりました。紗智が帰ってきたら、愛していると、ありがとうをいっぱい言いますー
「もうやだー高行さんったら」
紗智さんが恥ずかしさに頬を赤くした。
「あ、未知さんいた」
がらりと襖が開いて譲治さんがニコニコしながら縁側から入ってきた。
「こら、譲治。勝手に入るな。それと靴を脱げ」
鍋山さんが慌てて追いかけてきた。橘さんが眉をひそめ、ゴボンとわざと咳払いをした。
「た、橘さん!いらっしゃったんですね」
鍋山さんがギクッとし肩をぶるっと震わせた。
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