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番外編 未知さんにはちゃんとみてほしい

仏壇が置かれてある和室の前で白い布に包まれた骨壺を大事そうに抱えた壱東さんとばったり会った譲治さん。 「イチ、お帰り」 「ただいま譲治」 「行ってくる」 「は?どこに?」 「すぐそこの病院」 「言葉が足りなくてすみませんね。駅前にある美容整形外科に行ってきます」 「美容整形外科ですか?」 壱東さんが眉を寄せた。 「柚原さんから詳しいことを聞いてください。壱東さん、決して笑わないで下さいね。本人にとっては深刻な問題なので」 「分かりました。橘さん、笑わないと約束します」 消毒液の匂いと病院が嫌いな柚原さんはお留守番だ。 橘さんと鍋山さんに付き添われ譲治さんが出掛けたあと、彼と遥香が仲良く手を繋ぎデートから帰ってきた。 遥香は零れるような笑顔でスキップをしていた。 「お帰り」 「ただいまママ」 「楽しかった?」 「うん。すっごくたのしかった。そらしゃんとはちしゃん、おもしろかったよ。おみやげある」 「ありがとう遥香」 娘の笑顔を見るだけで僕まで幸せな気持ちになれた。

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