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番外編 のぞみさん、もっと生きたかったと思う

「千里、達治に協力する気がないなら石山のところに強制送還するぞって脅せ」 ーえぇ~~!ー 「えぇ~~じゃない。のぞみがこの世に未練がありすぎて成仏できないと譲治の夢枕に立って泣いて訴えているんだぞ。二十歳っていったら大人の仲間入りをして人生の中で一番楽しいときだろう。将来の夢を想い描き。彼氏もいて、きらきらと光輝いているときだろう。未来ある若い娘が理不尽な理由で人間としての尊厳を踏みにじられ、二年近く植物状態のまま、一回も目を覚ますことなく亡くなったんだぞ。恨んでも恨みきれないはずだ。化けて出たくもなるだろう」 ーやっぱ兄貴は男の中の男だ。ガチで惚れ直したー 蒼生お兄ちゃんの声がいつもより弾んでいた。 ー兄貴が俺の兄貴で良かった。ますます兄貴のことが好きになった。達治をすぐに本部に連れてくるように遼成さんに命じる。写真もすぐ送るー 「あ、ありがとうな蒼生」 彼の顔がひきつっていた。 ー嬉しいな。兄貴が名前で呼んでくれるの久し振りだから、やべ、冗談抜きで涙が出てきたー 「変な薬でも飲んだか?頭、大丈夫か?」 いつもと違う蒼生お兄ちゃんに彼、たじたじになっていた。

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