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塩対応の橘さんに龍成さん出鼻をくじかれる

「よ、橘」 長距離移動の疲れも見せず朝から爽やかな龍成さん。 「おはようございます」 「驚いたか?」 「いえ、別に。来るとは思っていましたので」 「相変わらず塩対応だよな。可愛くないぞ」 橘さんが段ボールに野菜をつめていたときに龍成さんが帰ってきた。 「橘、それなんだ?」 「見て分かりませんか?あなたと光希さんと遼成さん宛に奏音くんが書いた手紙です。朝ごはんも食べずに一生懸命書いていたんですよ」 「マジか。読んでもいいか?」 「えぇ、もちろん」 橘さんから自分宛の手紙を受け取ると、すぐに中身を取り出して読んだ。 【龍パパと光希ママと遼おじさんと早くいっしょにくらせるように奏音、勉強を頑張っているよ。龍パパ、暑いから無理しないでね】 「奏音、ありがとう。龍パパ嬉しくて涙が出てきた」 男泣きするほど喜んでいた。 「俺は猛烈に感動している。奏音に会いに行ってくる」 「龍成さん、授業参観は午後一時からですよ。あと四時間半もあります」 「え?そうなのか?」 「そうですよ」 龍成さんの驚きように橘さんはやれやれとため息をついていた。

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